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ヨガを教えたいと思って調べると、よく目にするのが「解剖学」という言葉。難しそうで、自分に覚えきれるか不安になりますよね。
結論から言うと、ヨガインストラクターに必要な解剖学は、医学の専門家のような知識ではありません。レッスンで安全に、分かりやすく教えるための体の仕組みが分かれば十分です。
この記事では、ヨガの解剖学を4つに分けて、レッスンのどこで使うかと勉強のしかたをお伝えします。
ヨガインストラクターに解剖学は必要?
解剖学を学ぶと、ポーズの説明に理由を添えられるようになり、無理な動きにも気づきやすくなります。資格の講座でも、体の仕組みは学ぶ内容の1つとして扱われることが多い分野です。
『ポーズができれば、解剖学まではいらないのでは?』と思う方もいるかもしれません。
実は、自分ができるポーズでも、参加者の体は一人ひとり違います。体が硬い人、関節がやわらかすぎる人、左右差が大きい人。同じ声かけでも、受け取り方が変わってくるんです。
そんな時に、骨や筋肉の動きが分かっていると「この人には、膝を曲げたままの取り方を案内しよう」と判断しやすくなります。
例えば、レッスン中にこんなやりとりがあったとします。
「前屈で、腰のあたりが引っぱられる感じがします」
「膝を少し曲げて、お腹を太ももに近づけるようにしてみましょう。腰の感じはどうですか?」
この返し方ができるのは、前屈では太ももの裏と腰まわりが関わる、という体の仕組みを知っているからなんです。
| 解剖学を知っていると | 知らないと起きやすいこと |
|---|---|
| ポーズの目的を一言で説明できる | 形だけを真似してもらうことになる |
| 楽な取り方を自分で考えられる | 全員に同じ形を求めてしまう |
| 無理をしている姿勢に気づける | 見た目のきれいさだけで判断してしまう |
ヨガインストラクターの仕事全体はヨガインストラクターとは?で紹介しています。
「医療の判断」とは分けて考える
解剖学を学んでも、インストラクターは診断や治療をする立場ではありません。
痛みや持病のある参加者には、レッスンの前にかかりつけの医師に相談してもらうよう案内します。体の仕組みの知識は、あくまで安全に教えるための土台として使いましょう。
解剖学を4つに分けると、レッスンのどこで使う?
ヨガで使う解剖学は「骨格」「筋肉」「関節の動き」「呼吸」の4つに分けると覚えやすくなります。それぞれ、レッスンで使う場面がはっきり違います。
ここが、この記事でいちばん大事なところです。
『解剖学の本を開いたら、名前が多すぎて挫折した…』という方は、まずこの4つのどれを学んでいるのかを意識してみてください。

| 分野 | 主に学ぶこと | レッスンで使う場面 | 声かけの例 |
|---|---|---|---|
| 骨格 | 背骨・骨盤・肩甲骨などの位置 | ポーズの形を整える時 | 「骨盤を正面に向けます」 |
| 筋肉 | どこが伸びて、どこが縮むか | 伸びている場所を伝える時 | 「太ももの裏が伸びています」 |
| 関節の動き | 曲げる・伸ばす・ひねる方向 | 無理のない範囲を案内する時 | 「膝はつま先と同じ方向へ」 |
| 呼吸 | 吸う時・吐く時の体の動き | 動きと呼吸を合わせる時 | 「吸いながら胸を広げます」 |
骨格
骨格は、ポーズの「形」を説明する時の目印になります。
例えば「背すじを伸ばして」よりも「骨盤の上に背骨を積み上げるように」と言う方が、どこを意識すればいいかが伝わりやすくなります。
筋肉
筋肉は、ポーズで「どこが伸びているか」を伝える時に使います。
前屈で太ももの裏が伸びている、ねじりで脇腹が伸びている、のように場所を言えると、参加者は自分の体に意識を向けやすくなります。
関節の動き
関節には、動きやすい方向と動きにくい方向があります。ここを知っておくと、無理なねじれや反りに気づけます。
例えば戦士のポーズで「膝はつま先と同じ方向へ」と声をかけるのは、膝の向きとつま先の向きがずれた状態を避けるためです。
呼吸
呼吸の仕組みは、動きと呼吸を合わせる声かけの土台になります。
一般的には、胸を開く・背中を反らす動きは吸う息と、体を丸める・前に倒れる動きは吐く息と合わせると、動きやすいと言われています。
よく教えるポーズで見てみると
4つの分野は、1つのポーズの中で組み合わさって使われます。よく教えるポーズで、どの知識をどう使うかを並べてみました。
| ポーズ | 骨格・関節で見ること | 筋肉で伝えること | 呼吸の合わせ方 |
|---|---|---|---|
| 山のポーズ(立った姿勢) | 足の上に骨盤、その上に背骨が積み重なっているか | 足の裏で床を押す感じ | 吸って背すじが伸びる感じを味わう |
| 立った前屈 | 股関節から倒れているか、背中だけ丸まっていないか | 太ももの裏が伸びている | 吐きながら前へ倒れる |
| 戦士のポーズ | 膝とつま先の向きがそろっているか | 前の足の太ももで支える | 吸って両手を上へ |
| 子どものポーズ | 膝や足首に強い曲げがかかっていないか | 背中から腰が伸びている | 吐く息で背中の力を抜く |
『表にするほど覚えることがあるの?』と感じたかもしれません。ただ、1つのポーズで見ることは、せいぜい2〜3つです。
例えば前屈なら「股関節から倒れる」「太ももの裏が伸びる」「吐きながら倒れる」の3つだけ。これが分かっていれば、膝を曲げた楽な取り方も自分で案内できるようになります。
参加者の体の違いに気づくには
同じポーズでも、体の硬さや骨格の違いで、届く範囲は人によって変わります。
前屈で手が床に届かない人がいても、それは努力不足ではありません。「手はすねに置いても大丈夫です」「ブロックを使ってもかまいません」と、選べる取り方を先に伝えておくと、参加者は安心して自分の範囲で動けます。
解剖学の知識があると、つい形の正しさに目が行きがちです。でも、呼吸が止まっている、顔がこわばっている、といったサインの方が、無理をしているかどうかを教えてくれます。
解剖学が苦手な人のための勉強のしかた
解剖学は、名前を暗記するより「自分の体で動かして確かめる」方が身につきます。1回に1つのポーズ、1つの部位から始めるのがおすすめです。
『専門用語が多くて、覚えられる気がしない…』という不安は、とても自然なものです。
ただ、レッスンで使う解剖学は、教科書の全部ではありません。よく教えるポーズに関わるところから、少しずつ広げていけば大丈夫です。
- よく教えるポーズを1つ選ぶ
- そのポーズで動いている関節を書き出す(股関節、膝など)
- 伸びている筋肉、縮んでいる筋肉を調べる
- 自分でポーズをとり、伸びている場所を手で触って確かめる
- 調べたことを、参加者向けの一言の声かけに直してみる

最後の「声かけに直す」までやると、知識がレッスンで使える形になります。声かけの組み立て方はヨガインストラクターの声かけのコツでまとめています。
学び方ごとの向き不向き
| 学び方 | 向いている人 | 気をつけたいこと |
|---|---|---|
| 本・図鑑で学ぶ | 自分のペースで調べたい人 | 体で確かめる時間もとる |
| 動画で学ぶ | 動きを目で見て覚えたい人 | 見るだけで終わらせない |
| 養成講座で学ぶ | 指導の場面と結びつけて学びたい人 | 講座ごとに扱う範囲が違う |
| 講座のあとに専門講座で深める | 特定のテーマを広げたい人 | 基礎を固めてから選ぶ |
例えば、平日は1日10分ほど図鑑で1つの部位を調べ、週末に自分でポーズをとって確かめる、という形でも続けやすくなります。
筋肉の名前を全部覚えようとして、途中で手が止まってしまうこと。レッスンで参加者に言うのは「太ももの裏」「脇腹」のような日常の言葉がほとんどです。まずは場所と動きが分かれば十分ですよ。
養成講座では解剖学をどう学ぶ?
全米ヨガアライアンスのRYT200を目指す講座など、多くの養成講座で体の仕組みを学ぶ時間があります。扱う範囲や学び方は講座ごとに違うので、説明会で確かめておくと安心です。
『独学で解剖学を学ぶのは、正直ちょっと不安…』という方もいますよね。
例えば、OMYOGAのRYT200オンラインでは、哲学・解剖学を動画で学ぶ講座があり、繰り返し見られると案内されています。RYT200そのものについてはRYT200とは?で詳しく紹介しています。
- 解剖学は、どんな形式(動画・ライブ・対面)で学ぶか
- ポーズの指導と結びつけて学ぶ時間があるか
- 分からない時に質問できる場があるか
- 修了後に、体の仕組みを深める講座があるか
自己流の勉強だけでは、人に教えるための順番や安全面の配慮まではつかみにくいもの。全米ヨガアライアンスの認定校で、解剖学を含めて体系的に学ぶ方法もあります。
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自宅からRYT200を目指すなら
OMYOGA(オムヨガ・株式会社ジョンスピークス運営)のRYT200オンラインは、Zoomのライブ講座と動画学習を組み合わせて、全米ヨガアライアンス認定のRYT200取得を目指す講座です。ライブに出られない日はアーカイブで受講でき、オンライン修了後に対面講座を再受講できる特典もあると案内しています。無料説明会と個別相談があります。
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ヨガの解剖学でよくある相談
よく見かけるのは「学んだことをレッスンに落とし込めない」「ポーズの呼吸の向きに迷う」といった、知識と動きをつなぐところの悩みです。
Yahoo!知恵袋などに寄せられている、ヨガの解剖学に関する相談をまとめました。
相談1:解剖学を学んでも、レッスンに落とし込めない
筋肉の縮み方などを学んでいるけれど、実際のポーズにどう結びつければいいか分からない、という相談です。
こうした時は、知識を広げるより、1つのポーズに絞って「どこが伸びて、どこが縮むか」を自分の体で確かめるのがおすすめです。先ほどの手順のように、最後に一言の声かけに直すと、レッスンで使える形になります。
相談2:先生によってポーズの説明が違うのはなぜ?
通っているクラスで、同じポーズでも先生によって足の使い方の説明が違い、どちらが正しいのか迷う、という相談です。
ポーズの取り方は、流派やクラスの目的によって違うことがあります。どちらか一方が間違いとは限りません。
説明を変える時は「今日は太ももの前を使う取り方をします」のように、目的を添えると参加者が迷いにくくなります。
相談3:猫のポーズの呼吸は、どちらが正しい?
背中を反らす時に吸い、丸める時に吐く方が楽なのはなぜか、という相談です。
一般的には、胸が広がる動きは吸う息と合わせやすく、お腹を引き込む動きは吐く息と合わせやすいと言われています。ただ、苦しく感じる時は呼吸の速さを自分に合わせてかまいません、と添えておくと安心ですね。
よくある質問
解剖学を学ばないと、ヨガインストラクターにはなれませんか?
名乗るのに必須の資格や試験はありません。ただ、安全に教えるためには体の仕組みを知っておくと役立つので、多くの養成講座で学ぶ時間があります。
体が硬くても、解剖学は理解できますか?
はい、理解できます。むしろ自分の硬いところを知ることで、参加者の気持ちに寄り添った案内がしやすくなります。体が硬い方の準備はヨガ初心者・体が硬くてもインストラクターになれる?で紹介しています。
解剖学の勉強には、どのくらい時間をかければいいですか?
決まった目安はありません。1日10分ほどでも、よく教えるポーズから1つずつ確かめていけば、少しずつレッスンで使える知識が増えていきます。
看護師などの医療系の知識は役立ちますか?
体の仕組みの知識は、ポーズの説明に役立ちます。ただ、ヨガのレッスンでは診断や治療をしない立場で教えることが大切です。専門職の経験の活かし方は看護師・理学療法士がヨガインストラクターになるにはで紹介しています。
まとめ
- ヨガインストラクターに必要なのは、安全に分かりやすく教えるための解剖学
- 骨格・筋肉・関節の動き・呼吸の4つに分けると、レッスンでの使い方が分かる
- 名前の暗記より、1つのポーズを自分の体で確かめる勉強が身につきやすい
- 学んだことは、参加者向けの一言の声かけに直してみる
- 痛みや持病のある参加者には、医師に相談してもらうよう案内する
解剖学は、一度で全部覚えるものではありません。教えるポーズが増えるたびに、少しずつ知識を広げていってくださいね。





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