ヨガのシークエンスの作り方|レッスンを組み立てる6つの手順

ヨガのシークエンスの作り方とレッスンを組み立てる手順を紹介する記事のアイキャッチ

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ポーズは一通りできるのに、いざ60分のクラスを組もうとすると手が止まってしまう。ヨガのシークエンスの作り方で悩んでいる方は、意外と多いんですよね。

結論から言うと、シークエンスは「テーマ」と「ピーク」を先に決めて、そこから逆算して組み立てると迷わなくなります。

この記事では、シークエンス作りを6つの手順にした作業シートと、60分クラスの組み立て例、練習の仕方を紹介します。

目次

ヨガのシークエンスとは?

先に結論

シークエンスは、クラスの中でポーズを並べる順番と流れのことです。ただポーズを並べるのではなく、体を準備し、山場を迎え、落ち着いて終えるまでの道筋を作ります。

『ポーズを好きな順に並べればいいのでは?』と思う方もいるかもしれません。

実は、順番が変わるだけで、同じポーズでも参加者の感じ方は大きく変わるんです。体が温まる前に深く伸ばすポーズを入れると、きつく感じたり、うまくできなかったりします。

ヨガのレッスンは、一般的に次のような流れで進みます。シークエンスは、この中の「導入」から「シャバーサナ」までの部分を組み立てる作業です。

流れ内容
準備会場・室温・音楽・マットの確認
受付・体調の確認参加者に体調の変化をたずねる
導入呼吸を整え、ウォームアップする
メインのポーズクラスのテーマに沿ったポーズを行う
クールダウン体を落ち着かせるポーズを行う
シャバーサナ・瞑想休息のポーズで静かに休む
片付け・振り返り会場を戻し、クラスを振り返る

レッスン以外の準備も含めた一日の流れは、ヨガインストラクターの仕事内容と1日の流れで紹介しています。

シークエンスの作り方|6つの手順の作業シート

先に結論

シークエンス作りは「テーマを決める」「ピークを決める」「準備のポーズを選ぶ」「流れをつなぐ」「クールダウンを決める」「時間を割り振る」の6手順で進めます。この順番を守るだけで、組み立てがぐっと楽になります。

ここがこの記事でいちばん伝えたいところです。

最初からポーズを1つずつ並べ始めると、途中で「どこに向かっているんだっけ」と迷子になりがちです。そこで、先にゴールを決めてから逆算していく作業シートにしました。

シークエンスを作る6つの手順
  1. テーマを決める(このクラスで何を感じてもらうか)
  2. ピークを決める(クラスの山場になるポーズ)
  3. 準備のポーズを選ぶ(ピークに必要な体の部分をほぐす)
  4. 流れをつなぐ(ポーズの間の移り方を決める)
  5. クールダウンを決める(山場から落ち着くまで)
  6. 時間を割り振る(クラスの長さに合わせて調整する)
シークエンス作りを、テーマ・ピーク・準備のポーズ・流れのつなぎ・クールダウン・時間の割り振りの6手順にした作業シートの図解

手順1:テーマを決める

最初に、このクラスで参加者に何を感じてもらいたいかを一言で決めます。

例えば「股関節まわりをゆっくり動かす」「背中をのびのび伸ばす」「呼吸と動きを合わせる」のような、体の部分や動きのテーマが分かりやすいです。

テーマを決めておくと、クラスの最初に「今日は背中をのびのび伸ばしていきましょう」と伝えられます。参加者も何をするクラスか分かって、安心して動けますよね。

手順2:ピークを決める

次に、クラスの山場になるポーズを1つ決めます。テーマに合っていて、参加者が少しがんばればできるくらいのポーズが目安です。

例えば「背中を伸ばす」がテーマなら、三角のポーズや、横に体を倒すポーズなどがピークの候補になります。

ここが大事なところなんですが、ピークは難しいポーズである必要はありません。初心者のクラスなら、ゆったりした戦士のポーズでも十分な山場になります。

手順3:準備のポーズを選ぶ

ピークが決まったら、そのポーズに必要な体の部分を順番にほぐしていくポーズを選びます。

ピークのポーズで使う体の部分を書き出してみると、選びやすくなります。体の仕組みを知っておくと、この作業がぐっと楽になります。解剖学の学び方はヨガインストラクターに解剖学は必要?で紹介しています。

ピークの例使う体の部分準備のポーズの例
三角のポーズ脚の裏側・体の側面・股関節猫のポーズ、横に体を倒すポーズ、戦士のポーズ
木のポーズ片脚で立つ力・股関節足首回し、山のポーズ、片脚を上げるポーズ
下向きの犬のポーズ肩・脚の裏側・背中猫のポーズ、子どものポーズ、四つんばいのポーズ

手順4:流れをつなぐ

準備のポーズとピークが決まったら、ポーズとポーズの間の移り方を考えます。

立っている姿勢から急に床に寝る、また立つ、という上下の移動が多いと、参加者は落ち着かなくなります。立つポーズ、座るポーズ、寝るポーズを、まとまりで並べるのがコツです。

「両手を床について、そのまま四つんばいになりましょう」のように、移る時の言葉も一緒に台本に書いておくと、当日つまずきにくくなります。

もう一つ忘れやすいのが、左右をそろえることです。右側でポーズをしたら、同じ流れで左側も行います。

台本に「右」「左」と両方書いておかないと、片側だけで次に進んでしまうことも。参加者は意外と気づいているので、左右の行き来は書き込んでおくと安心です。

補足

流れをつなぐ時は、参加者が見本を見やすい向きも考えておきましょう。講師が向きを変えるタイミングを決めておくと、参加者が首をひねって見続けずに済みます。

手順5:クールダウンを決める

ピークのあとは、体を少しずつ落ち着かせるポーズを選びます。

ピークで伸ばした部分をゆるめるポーズや、ねじりのポーズ、座って前に倒すポーズなどがよく使われます。最後はシャバーサナ(休息のポーズ)で静かに休む流れが一般的です。

手順6:時間を割り振る

最後に、クラスの長さに合わせて、それぞれのまとまりに時間を割り振ります。

ここで時間が足りなければ、準備のポーズを減らしたり、ピークの回数を減らしたりして調整します。逆に余るなら、呼吸の時間やシャバーサナを長めにとるのがおすすめです。

作業シートに書き込んだ例

6つの手順を1枚のシートにまとめておくと、あとから見返しやすくなります。例えば、こんなふうに書き込みます。

手順書き込む内容の例
テーマ背中をのびのび伸ばす
ピーク三角のポーズ
準備のポーズ猫のポーズ、四つんばいで体の側面を伸ばす、戦士のポーズ
流れのつなぎ四つんばいから下向きの犬のポーズを通って立つ
クールダウン座って前に倒すポーズ、仰向けのねじり
時間導入5分・準備15分・ピーク15分・クールダウン10分・休息10分ほど

シートの右に「やさしい形」「声かけのメモ」の欄を足しておくと、そのまま当日の台本として使えます。

よくある失敗

入れたいポーズを詰め込みすぎて、シャバーサナの時間が削られてしまうこと。最後の休息は、クラスの印象を決める大事な時間です。時間を割り振る時は、シャバーサナから先に確保しておきましょう。

60分クラスの組み立て例

先に結論

60分のクラスなら、導入・準備のポーズ・ピークに向かう流れ・クールダウン・シャバーサナの5つに分けて、時間の目安を決めておくと組み立てやすくなります。

『実際に60分に入れると、どれくらいの量になるの?』と気になりますよね。

ここでは、「背中をのびのび伸ばす」をテーマに、三角のポーズをピークにした例を並べてみました。時間はあくまで目安なので、参加者に合わせて調整してください。

まとまり時間の目安内容の例
導入5〜10分座って呼吸を整え、テーマを伝える
準備のポーズ15分前後猫のポーズ、四つんばいから体の側面を伸ばす
ピークに向かう流れ15分前後戦士のポーズから三角のポーズへ
クールダウン10分前後座って前に倒すポーズ、ねじりのポーズ
シャバーサナ5〜10分休息のポーズで静かに休む
60分クラスを導入・準備・ピーク・クールダウン・シャバーサナに分けた時間の割り振りの例を示した図解

クラスの長さが変わる時の考え方

45分や75分など、クラスの長さが変わることもあります。

その時は、導入とシャバーサナの時間はなるべく残して、準備のポーズとピークに向かう流れの量で調整します。始まりと終わりが落ち着いていれば、参加者の満足感は大きく変わりません。

クラスの長さ調整のしかた
短いクラス準備のポーズを絞り、ピークを1回だけにする
長いクラスピークを2回に分け、2回目を少し深める
オンラインのクラス画面に映りやすい向きのポーズを中心にする
補足

ホットヨガなど室温の高いクラスでは、途中で水を飲む時間をあらかじめシークエンスに入れておきましょう。体調が悪くなったら無理せず休むことも、最初に伝えておきます。

参加者に合わせて調整するコツ

先に結論

同じクラスにも、体の硬さや経験がちがう人が集まります。1つのポーズに「やさしい形」と「強めの形」を用意して、参加者が自分で選べるようにしておくのがコツです。

『参加者のレベルがばらばらで、誰に合わせればいいのか分からない』という方も多いはずです。

結論から言うと、全員にぴったりの強さは作れません。だからこそ、シークエンスの段階で選べる形を書き込んでおきます。

ポーズやさしい形強めの形
三角のポーズ手をすねやブロックに置く手を床に近づけ、上の腕を高く伸ばす
戦士のポーズ足幅を狭めにとる足幅を広くとり、前の膝を深く曲げる
下向きの犬のポーズ膝を曲げたままにするかかとを床に近づける
木のポーズつま先を床につけたままにする足裏を太ももの内側に置く

声をかける時は、「余裕がある方は」「きつい方は」と両方の選び方を伝えると、参加者は迷わず選べます。

参加者の顔ぶれでテーマを選ぶ

テーマ選びも、参加者に合わせると外れにくくなります。担当するクラスの時間帯や、参加者の顔ぶれを思い浮かべてみてください。

クラスの顔ぶれ選びやすいテーマの例組み立ての工夫
ヨガが初めての人が多い呼吸と動きを合わせるポーズの数を絞り、説明を丁寧にする
仕事帰りの人が多い肩と背中をゆるめる前半はゆっくり、後半に少し動く
朝のクラス体をゆっくり目覚めさせる寝たままの動きから始める
シニアの方が多い立つ姿勢を安定させる椅子や壁を使う形を用意する

例えば仕事帰りのクラスなら、最初に「一日おつかれさまでした。まずは肩の力を抜いていきましょう」と伝えると、テーマがすっと伝わります。

クラスの前に見直したいこと
  • やさしい形と強めの形が、主なポーズごとに用意されているか
  • 休みたい時のポーズ(子どものポーズなど)を最初に伝えているか
  • 立つ・座る・寝るの移動が多すぎないか
  • シャバーサナの時間が確保されているか
  • 受付で体調の変化をたずねる準備ができているか

妊娠中の方や、持病・ケガがある方が参加する場合は、事前にかかりつけの医師に相談してもらうよう伝えましょう。インストラクターは医療の判断をしない立場です。

声かけの言葉選びはヨガインストラクターの声かけのコツで詳しく紹介しています。

シークエンスを練習する方法

先に結論

シークエンスは、作るだけでなく「自分で通して動く」「声に出して案内する」「人に受けてもらう」の3段階で練習すると、当日のクラスで迷わなくなります。

『紙の上ではうまくできたのに、実際に教えると時間が合わない』ということ、よくありますよね。

紙に書いた時間と、実際に動いた時の時間は、思ったよりずれるものなんです。だからこそ、作ったあとの練習が大切になります。

シークエンスの練習の流れ
  1. 作ったシークエンスを、自分で通して動いてみる
  2. 案内の言葉を声に出しながら、もう一度通して動く
  3. スマートフォンで録音し、時間と言葉の分かりやすさを確かめる
  4. 家族や知人に受けてもらい、きつかった所と分かりにくかった所を聞く
  5. 聞いた感想をもとに、ポーズの量と言葉を直す

練習ノートを作っておく

作ったシークエンスは、ノートやスマートフォンのメモに残しておきましょう。

「テーマ」「ピーク」「準備のポーズ」「かかった時間」「受けてもらった人の感想」を同じ形で書いておくと、あとで見返した時に改善点が見えやすくなります。

いくつか貯まると、テーマごとの引き出しが増えていきます。代行レッスンや急な依頼の時にも、ノートから組み立て直せるので安心です。

ほかの講師のクラスから学ぶ

自分で作るだけでなく、ほかの講師のクラスを受けることも立派な練習です。

受けたあとに、そのクラスのシークエンスを思い出して書き出してみましょう。

クラスを受けたあとに書き出すこと
  • テーマは何だったか、最初にどう伝えていたか
  • ピークはどのポーズで、何分ごろにあったか
  • ポーズとポーズの間を、どんな言葉でつないでいたか
  • クールダウンとシャバーサナに、どれくらい時間をとっていたか

書き出してみると、組み立ての型が少しずつ見えてきます。ただし、他の講師のシークエンスをそのまま使うのではなく、自分のテーマに合わせて組み直してみてください。

模擬レッスンの練習にもなる

スタジオの採用では、模擬レッスンでクラスを組み立てて見せる場面があります。シークエンスを作って練習しておくことは、そのままオーディション対策にもなります。詳しくはヨガインストラクターのオーディション対策で紹介しています。

体系的に学ぶ方法

シークエンスの組み立て方は、ヨガの養成講座でも学ぶ内容の一つです。よく目安にされるRYT200は、Yoga Allianceに登録されたスクールで200時間のトレーニングを修了すると申請できる、民間の登録制度です。詳しくはRYT200とはで紹介しています。

ただ、自己流の練習だけでは、人に教えるための順番や安全面の配慮まではつかみにくいもの。全米ヨガアライアンスの認定校で、体系的に学ぶ方法もあります。

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自宅からRYT200を目指すなら

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料金や日程、講座の内容は公式サイトでご確認ください。

ヨガインストラクターの仕事全体については、ヨガインストラクターとはで紹介しています。

シークエンス作りでよくある相談

この章で答えること

知恵袋などで閲覧の多い相談から、レッスンの組み立てに関わるものを3つ選び、要点をまとめて答えます。

60分・70分のクラスの組み立て方が分からない

インストラクターとして、60分や70分のヨガのクラスをどう組み立てればいいのか、という相談です。

この記事の6つの手順で、まずテーマとピークを決めてみてください。そこから準備のポーズとクールダウンを選び、最後に時間を割り振れば、60分でも70分でも同じ考え方で組み立てられます。

70分なら、60分の組み立てに、呼吸の時間やピークの2回目を足すと自然に伸ばせます。

猫のポーズで、吸う息と吐く息はどちらに合わせる?

猫のポーズを教わる時、前を向く時に吸って、背中を丸める時に吐くのはなぜか、という相談です。

一般的には、胸を開いて前を向く時に吸い、背中を丸める時に吐く案内が多いです。胸を広げる動きと吸う息、体を縮める動きと吐く息が合わせやすいためと言われます。

シークエンスを作る時は、動きと呼吸の合わせ方も台本に書いておきましょう。「吸いながら胸を開いて、吐きながら背中を丸めます」と言葉にしておくと、当日迷いません。

同じクラスで「キツい」と「物足りない」の両方の声が出る

同じ内容のクラスなのに、「キツい」という感想と「物足りない」という感想の両方をもらって悩んでいる、という相談です。

実はこれは、どの講師も通る悩みなんです。この記事の表のように、主なポーズに「やさしい形」と「強めの形」を用意して、参加者が自分で選べるようにしてみてください。

あわせて、クラスの最初に「今日は自分の体と相談しながら、形を選んでくださいね」と伝えておくと、選ぶことへの遠慮がなくなります。

相談答えの要点
60分・70分の組み立て方テーマとピークを先に決め、時間は最後に割り振る
猫のポーズの呼吸胸を開く時に吸い、背中を丸める時に吐く案内が一般的
キツい・物足りないの両方の声やさしい形と強めの形を用意して選んでもらう

よくある質問

シークエンスは毎回新しく作る必要がありますか?

毎回ゼロから作る必要はありません。基本の流れを1つ持ち、テーマやピークだけ入れ替える講師も多いです。練習ノートに残しておくと、組み合わせを変えるだけで新しいクラスが作れます。

ピークのポーズは難しいポーズにすべきですか?

難しいポーズである必要はありません。参加者が少しがんばればできるくらいが目安です。初心者のクラスなら、ゆったりした戦士のポーズでも十分な山場になります。

シークエンスを作るのにどれくらい時間がかかりますか?

慣れないうちは、作って通して動くまでに時間がかかるものです。6つの手順で作り、自分で通して動いてみる、という流れをくり返すうちに、少しずつ早くなっていきます。

音楽はシークエンスに合わせて選ぶべきですか?

流れに合わせて選ぶと、クラスの雰囲気が作りやすくなります。ただ、言葉が聞き取りにくくならないよう、音量は控えめにしておきましょう。

まとめ

この記事の要点
  • シークエンスは、体を準備し、山場を迎え、落ち着いて終えるまでの道筋
  • テーマ・ピーク・準備のポーズ・流れ・クールダウン・時間の6手順で作る
  • 時間を割り振る時は、シャバーサナから先に確保する
  • 主なポーズに、やさしい形と強めの形を用意して選んでもらう
  • 自分で通して動き、声に出し、人に受けてもらって直す
ヨガインストラクタードットコム

ヨガインストラクタードットコム 編集部

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